群馬県玉村町にある「角渕キャンプ場」にてテント泊してきた。
当日の荷物はこんな感じで基本バックパックひとつに食料ケース(奥のオレンジ色のやつ)
正確にはこれ以外にウェストバッグとG.I.スタイルのキャンティーン(水筒)がある。
経路
上越新幹線で東京駅から高崎駅まで移動後、湘南新宿ラインで新町駅へ。鉄道で行けるのはここまで。湘南新宿ラインってこの辺まで延びてたのか…
ぐんまちゃんがかわいい。
ここからはバス。新町玉村線玉村町役場行きに乗り、角渕南停留所で下車。途中にある陸上自衛隊第12後方支援隊の新町駐屯地を車中からみて特に意味なく感動してた。
角渕南停留所から200mほど南下し、橋の小脇に別れている坂道を下ったところにある「烏川運動公園」、キャンプ場はその中にある…のだが。
GoogleMapsが経路情報として表示するこの徒歩ルートに騙されてはいけない。このルートに入ると、示された点線の右下あたりでどなたかの農地にたどり着く。そこから先にこの経路で示されたような道はない。
この案内板がある辺りの左手に駐車場がある。その中を突っ切って行くのが正解だ。
そして入り口にはこの看板がある。ここから先がキャンプ場だ。
施設/サイト
特に管理小屋などは設けられておらず、管理人さんが常駐していたりもしない。予約不要の無料キャンプ場で、チェックイン/アウトなどもないので、皆さん好きな時に来て好きな時に帰っていくようだ。
もちろん売店などもないし、道具のレンタルもないので、キャンプ装備は全て持ち込み、薪の販売もないというそこそこ玄人向けのキャンプ場だ。個人的にはまさにそんなキャンプがしたい人なので、むしろうってつけである。あるのは各所で前評判どおりの仮設トイレと、あとはバーベキュー場の常設炊事場と水道か。上水道が利用できるので水の心配については不要だ。
入ってすぐの草地エリアと、小川を渡ったその先にある林間サイトがある。
今回は林間サイトにした。一面に枯葉が落ちているので、焚き火をやる場合は周囲の枯葉をある程度片付け、スパッタシートを敷いた上で焚き火台を使うなどの配慮が必要だ。一部、テント泊用と思われる土塁が設けられている箇所があるので、雨天によるテント下への浸水が心配な向きは利用すると良い。雨水避けの溝を掘るにも、芝生のある箇所を掘り返すわけにはいかないので。
今回はそんな土塁のひとつに陣取ることにした。
装備
テントはDUNLOP VS20を土塁の上に設営、そのすぐそばにトレッキングポールを利用して陸自迷彩のGORE-TEX遮光ポンチョタープを張った。今回は装備を減らすためチェアを省略し、スーパーで買った約300円程度の一畳レジャーシートと、SOTOフィールドホッパーの組み合わせ。今回はチェアに限らず装備のダウンサイジングを徹底しており、テント内のマットをエアーマットにしたり、焚き火台もコンパクトなものにしたりしている。レジャーシートもガチのブルーシートは畳んでも体積が大きいのでこの選択だ。
で、焚き火台、DoD「秘密のグリルちゃん」
これが実にコンパクトで良い。ただ、灰がこぼれやすいのでスパッタシートは必須だ。今回のような枯葉の多い場所で使うなら特に。
クッカー類はドイツ飯盒とキャンティーンカップ。
薪の調達
薪は売っていないのだけども倒木があったりするので、道具があればこれを切りだし、割って使うことができる。また、そうしたキャンプ場でも対応できるよう、必要な道具は装備に含めてある。今回は運よく設営場所付近に倒木が転がっていたので、切り出して使うことにした。
タジマG-SAW210で切り出した倒木をGARBER BEAR GRYLLSで割るの図。この太さはナイフバトニングでは割れない。1/4程度まで割ってからナイフバトニングする。
着火材はそこいらに松ぼっくりがいくらでも落ちているのでそれを利用すればいい。実は今回、このお陰で薪代がかかっていないのと、キャンプ中の燃料を全て薪で賄うことができたのとで、アルコールストーブの出番がなく持っていった燃料アルコールを一滴たりとも使用していない。
いつもはチェックアウト前に慌てて始末をする必要がないように焚き火は前日の晩までにして撤収日の朝食は持ち込み燃料で作るのだけども、今回はチェックアウト時刻という制限が無いため朝食まで薪の火力で作ることができた。
食事
持っていった食材は下記の通り。
- コンビーフ缶詰
- あさり水煮缶詰
- トマトソース缶詰
- 人参 小1本
- 馬鈴薯 小1個
- 玉葱 小1個
- 生姜 1片
- ハム 5枚パック
- スパゲティ・パスタ 200g
- カレールウ 2片
- バター
- 米
- その他基礎調味料類
土曜の昼はスパゲティ・ナポリタン。玉葱を1/2、ハム、バター、パスタ、トマトソース缶詰を使用。
夜はコンビーフカレー。玉葱の残り、馬鈴薯、人参、コンビーフ缶詰、カレールウ、米を使用。
日曜の朝は先日も書いた深川めし。あさり水煮缶詰、生姜、米を使用。
…なんだけど、あさりの時雨煮までは撮影したものの混ぜた後に撮るのを忘れてた。
いずれも缶詰をフル活用した。食肉や魚介、やわらかく痛みやすい野菜などは缶詰で代替すると、常温でも3年ほど保存できるものが多いため、鮮度管理のためのクーラーボックスなど冷蔵装備が不要になる。
鉄道キャンパーは缶詰を活用したレシピを研究・習得すると、荷物のダウンサイジングに繋がるのでお勧めしたい。
ゴミの始末
今回のキャンプで出たゴミの総量が、この写真である。
これは、Ziplocの小サイズ。この中に収まる程度のゴミしか出していない。体積のほとんどが空き缶であり、他はハムのパッケージと、飯盒に残った米粒を回収して食べるために淹れた玄米茶の出涸らしと、馬鈴薯の皮や人参のへた、玉葱の皮ぐらいか。このZiplocも元はといえばパスタを入れて持ってきたものだ。
このキャンプ場は管理人さんが常駐していないのでゴミ回収などやっておらず、当然持ち帰りである。何よりも出すゴミの量を少なく抑えることを心がければ、持ち帰りもそれほど大変ではない。
総括
今回何よりも面白かったのは、やはり「薪の調達」である。金で買うのではなく、自らの目と足で探し、道具とノウハウで使える薪にする。ちょっとしたブッシュクラフト気分だった。あとは食材の鮮度管理問題を解決するために考えた缶詰主体のレシピを実践できたこと、今回から導入のポンチョタープとトレッキングポールの組み合わせを試せたことなど、非常に多くの実験的な試みができた、実りの多いキャンプだった。実に面白かった。
今後の展望
計画しているのは二つ。
ひとつはコンフォート温度-4℃の冬用ダウンシュラフを調達したので、真冬のキャンプを少ない装備で快適に行えるスタイルを考えたい。
もうひとつは冬が終わってからになるだろうけども、現行装備からさらにテントを省略しモスキートネットを加え、ポンチョタープとトレッキングポールで寝床を構築するタープ泊を試したい。テントが省略できればさらに装備のダウンサイジングに繋がる。
まあ今後も楽しんでいきましょうと。