「けいおん!」第七話(含ネタバレ)

最近レビュー記事の肥大化に伴い、文面を起こすのに必要な時間は増える一方で、今回もまた遅れてしまった。
恒例「けいおん!」第七話のレビューをお届けする。


なお、過去の放映回についてのレビューはこちら。

第一話感想 第四話レビュー
第二話感想 第五話レビュー
第三話レビュー 第六話レビュー

1〜2話については、漠然とした感想の体をとっています。

アバンタイトル

クリスマスツリーの飾りつけをしている小さな姉妹。それは幼い日の唯と憂。


まだ小さな背丈では踏み台に乗っても背伸びしなけらば届かない頂点の星の飾り付けを、足元も危なっかしく済ませた唯と、その姉が転ぶことも怪我することもなかったことに安堵する憂。意識せず無茶をしがちな姉と、それを心配しつつフォローする妹の関係は、この頃から既に決まっていたようだ。


昔からこんな感じで世話を焼かせる姉のことが、憂は大好きだ。
姉の無茶ともいえる行動は、時に妹である自分の笑顔のためであることを知っているから。
その日も唯は、クッションを破いて取り出した綿の雪を庭の木に積もらせ、憂が願った雪の振るクリスマスの日──「ホワイトクリスマス」を見せてくれた。もっとも、その後でクッションを一つ駄目にした唯の代償は大きかったわけだが。


今ではもう二人の背丈は伸び、踏み台に乗れば背伸びする必要もない。
あの頃と同じ、ツリーの頂点に星を飾りつけた姉を見て、そんな昔を思い出した妹は願う。

唯「憂、どうかした?」
憂「ううん。今年も楽しいクリスマスになるといいなあ」

季節はもう冬になり…

秋の風物詩である学園祭が終わり、作中の季節はもう冬になっている。アバンタイトルから、クリスマスの近づいた年の瀬であることがうかがえる。そのクリスマスが終わって一週間もすれば、新しい年が訪れる。誰もが楽しくも忙しいそんな時期。


コートを着込んだ冬支度で路地を歩く平沢姉妹。まだ憂ちゃんは中学生で学校は違うはずだが、途中までは一緒らしい。

憂「寒くなったねー」
唯「…あれ? マフラーしないの?」
憂「うん。実は去年洗って干しておいたら、飛ばされちゃったみたいで」

憂ちゃんは去年のうちにマフラーをなくしてしまったようで、襟元が寒そうにしている。
新しいマフラーを調達していないので、去年の冬の終わりごろの話なんだろうな、と勝手に解釈。冬が終わればしばらくマフラーの出番は無いし。


唯さんは自分のマフラーを半分ほどき、寒そうにしている妹の首にそっと巻く。憂ちゃんの顔が温かそうにしているのは、マフラーのせいか、姉の気遣いによるものか…たぶん、両方。


これまで見せてこなかったが、唯さんはちゃんと「お姉ちゃん」である模様。その唯さんは左手に手袋をしていない。

憂「…手袋、片方は?」
唯「なくしちゃったみたい」

憂ちゃんはその左手を自分の両手で包み、温める。唯さんが見せた笑顔の理由は、憂ちゃんが見せたものと、きっと同じ理由。二人で微笑み合い、また歩き出す。


そしてサブタイトルコール。



多分去年もこうやって二人して通学してたんだろうな。その頃とおそらく違うのは唯さんの制服が桜高のものであることと、彼女が背負うギグバッグに収められているであろう Gibson Les Paul Standard。毎朝この重いギターを背負って通学していると考えるとお疲れさんと言いたくなるw とくに冬場は装備が重厚になるので、大変だろうな。まぁ、朝持っているということは、持ち帰って練習しているということなので何よりだ。


作中での描写はないが、学校の違う二人は分岐点でマフラーを解かなければならないのが淋しいところ。


軽音部のクリスマス会

律「みーんなー! クリスマス会のチラシを作ったよー!」

いつもの部室。いつもと変わらずハイテンションで、面白げなことを始めることにかけては一流の律ちゃん、手書きのチラシを一枚、唐突にみんなに見せる。サンタがドラム叩いている絵は、ドラマーの律ちゃんならでは。右上のほうにはアコギっぽいものが描かれているが、アコギ使うメンバーおらんよな、ここw

澪「…あれ? クリスマス会ってやることになってたん?」
律「誰にも言ってないけどね!」
澪「言えよ」

チラシの内容では、既に日時、場所、会費が誰の承諾も無しに決められている。クリスマス会なので日時は12月24日のクリスマスイブ、場所は「ムギの家」、会費は1000円。
この時点で、軽音部関係者以外は一切ターゲットにしていないチラシであることが推測される。「ムギ」という呼称が「琴吹紬お嬢様」と結びつくのは軽音部関係者ぐらいじゃないのか?w


…で、その会場に(勝手に)指定された家の住人、ムギちゃんはというと、

紬「あのー…その日はうち、都合悪いの」
律「あぁ〜やっぱりダメだった?」
紬「うちは常に何かしらの予定が詰まっていて、
  一ヶ月前に予約取らないといけないの…ホントにごめんね」
律「そ、そうなんだ…」
唯/澪/律「(どんなうち…??)」

彼女の家において、アポなしでの来訪はタブーである模様。


まぁ、地位ある人というのは公のために私を捧げるもの。傘下の楽器店の店員を畏怖させ、広大な敷地を持つ別荘を構えるほどの資本力を持つ琴吹家ともなれば、ムギちゃんの父上の地位も推して知るべし。「お嬢様のご学友」といえども、パーティじみたことをやるにはそれなりに準備と調整が必要、ということなんだろうな。


ムギちゃん、代わりに律ちゃんの家での開催を提案するが…

澪「あ〜ダメダメ。律の家は汚くって、足の踏み場もないから」
律「なんだとぅ! 澪の部屋なんか服が脱ぎ散らかってるくせに〜…パンツとか」
澪「えぅっ…!? 真顔でデタラメ言うな!」

この「パンツとか」を強調するのは、前回学園祭ライブにおける「縞々ご飯茶碗」を連想させる、意図的なものだろうなw 律ちゃんの取り出した「証拠写真」をめぐってもみ合う二人。


…まったくの余談だが、断言してもいい。この二人の部屋、絶対に俺の部屋よりはマシだw …いや、そんなことは本当にどうでもいいんだが。余談終わり。


そんな二人をスルーして、唯さんの家の都合を確認するムギちゃん。
だいぶわかってきたなこの人もw で、唯さんはあっさり承諾。
年の瀬に大勢で押しかけて迷惑にならないのか、澪さんは心配するが…

唯「その日はお父さんもお母さんもいないから」
律「そういえば、前行ったときもいなかったなぁ」
唯「よく二人で旅行するんだ。クリスマスは二人でドイツ行くんだって!」
(手をつないで駆けてゆく両親イメージ)
律/澪「(…ラブラブ夫婦!)」

なお、両親が駆けて行くイメージの背景は「ブランデンブルク門」。かつてベルリンからプロイセン王国の首都だったブランデンブルクへ続く道はここから始まっていた。第二次世界大戦後、東西ドイツ時代には東ベルリン側に位置し、この門のすぐ付近を「ベルリンの壁」が隔てると、長らく東ベルリンの終端を象徴する門となった。1989年に壁が崩壊して以後、今日ではベルリンを代表する観光地となっている。(→ブランデンブルク門 - Wikipedia)


何か用意するものはあるかと尋ねるムギちゃんに、唯さんは自信たっぷりに「大丈夫」と答える。料理などは憂ちゃんが作ってくれるから心配いらない、と。自分でやるんじゃないのな。まぁ、わかってはいたがw


律ちゃんはパーティの催しものとしてプレゼント交換を提案。唯さんとムギちゃんは諸手を挙げて賛成。このとき、同じく「やろうやろう!」という字面の、ムギちゃんと唯さんの台詞だが、両者のニュアンスが違って聴こえる。ムギちゃんはきっとこういう「友達同士だけで過ごすパーティ」というものが初めてなんだろうな、と思った。


第一話からここまでの話をちゃんと観ていればわかるが、ムギちゃんはこの軽音部の仲間のような友達を持つのは初めての経験であることを所々で匂わせている。
第一話の澪さんと律ちゃんのやりとりに興味を惹かれ仲間に加わったのも、
第二話で語られた律ちゃんの「値切り」という庶民的行為に興味を示し唯のギターを買うにあたってその実践を楽しんでいたのも、
第四話の合宿で「同年齢の友達だけでの宿泊」が楽しみで前の晩眠れなかったのも、
きっとそれら全てがムギちゃんにとって新鮮な初めての経験だったから。


この「けいおん!」という作品は、唯さんが高校に入学してから、初めて部活に入りギターを始める、という「新しい経験」をするところから始まっているわけだが、唯だけでなくムギちゃんも数々の「新しい経験」をしている、ということを忘れずに観ると、また違った面白さが出てくる。たまにはムギちゃん中心として観てみてはどうだろう?


で、プレゼントの内容について、律ちゃんが澪さんに釘を刺すわけだが、これがまた見事なブーメラン。

律「澪、変なもの持って来るなよ?」
澪「それはお前だろ! 小学校の時だって…」
(回想: 小学生当時の澪、律のびっくり箱(古いw)で気絶するの図)
唯「…ベタやな〜」
律「お前が突っ込むな!」
唯「ベタ子さん〜?」

まぁ、ユルい四コマ原作では定番とも言うべきベタなネタではあるが、二人の性格から考えて、持って来るプレゼントが心配なのはむしろ律ちゃんだわなw


こんな感じで思い出を語る澪さんと律ちゃんのやり取りを聞いたムギちゃんは、パーティが楽しみで仕方がない様子。他の三人はこうした思い出があるが故にクリスマスを楽しみたいわけだが、ムギちゃんにとっては、そうした思い出はこれから増えるものであるわけだ。

企画は関係者に飛び火する。

律「…和さんも軽音部のクリスマス会に参加しない?」
和「え? 私、部外者だけどいいの?」

学校帰り、門の前で和さんを捉まえたと思しき軽音部員たち。ここぞとばかりに和さんをパーティに誘いにかかる。

律「全然いいよ! 私達、友達だし。
  (澪を振り返り、小声で)
  …人数増えたほうが、使えるお金増えるし」
澪「それをどうする気だ…」

そういうことかw


でもまぁ、学園祭ライブ直前に生徒会役員の和さんにはさんざん世話になった軽音部。部長の律ちゃんとしてはそうした経緯も踏まえた恩返しあるいは親睦の表明という意図もあったかもしれんね。そう解釈した場合、律ちゃんの台詞の前半が本音で、澪さんに語った分はいつものレクリエーション的なものということになる。律ちゃんはそういう子ではないかな。


唯さんの確認に、和さんは快諾。一人分パーティは賑やかになりそうだ。
…まぁ、クールで物静かな和さんによって賑やかになるかは別として。



帰宅後、憂ちゃんと一緒にコタツに入りながら経緯を説明し、協力をとりつける唯さん。

唯「…と、いうことで、お料理よろしくね。
  もちろん私も手伝うよ!」
憂「まかせて!」

大好きな姉の頼みに、喜んで応じる憂ちゃん。


…しかしまぁ、唯さんの「手伝うよ」が当てにならないことも熟知している憂さん。
台詞では唯さんの身を案じるような字面だが、「想定されうる事態」が全て「姉の失敗に起因している」という時点で、この方面における実力は全く当てにしていない。なんたって日々の生活を共にしてきた妹ですからw


そんなわけで、姉をキッチンから遠ざけておくべく、部屋の飾り付けとの分業を提案する憂さん。唯さんは調子よく応じるが、どこまでちゃんとやれることやらw

憂「…でも、クリスマス会って何やるの?」
唯「ケーキ食べて…プレゼント交換して…あ、一人一芸披露するんだよ」

…そんな話はなかったぞw
唯さん的にはネタを混ぜ込んだつもりらしいが、そこは姉と違って真面目な憂ちゃん。
芸のネタを考え始める。中学生(しかも時期的に受験生)の身で宴会芸を考えることになるとはw

唯「う…真面目に考えてる…?」
憂「でも、何か考えておくね!」
唯「え? あ、うん」
憂「それとプレゼントも用意しなきゃ!」
唯「そうだ、わたしも買いにいかなきゃ!」

プレゼント交換用の景品を調達するのを思い出した唯さん。
憂ちゃんのおかげで忘れずに済んだ模様。

街で買い物

お店でプレゼントにする品物を物色する唯さん。傍らには和さんの姿が。
全体を通して観るとわかるけど、ここで同行者として和さんを選んでいることの意味が実は大きい。プレゼントを選ぶ必要があることを思い出すきっかけは憂ちゃんだったのに、憂ちゃんと一緒には買いに来ていない、というところに注目。


唯さんはここで気に入ったぬいぐるみをプレゼントに選ぼうとして、和さんのツッコミでなんか妙なマスコットでお茶を濁そうとしたあたり、別行動を取ることを選択したのは、おそらく憂ちゃんのほうだろう。この時点では最終的な決め手となった選択基準には思い至っていないようだが、結果的に似たような動機で選んでしまうあたり、二人はやはり姉妹なのだなぁ、と。


ところで、この「妙なマスコット」ってほぼ原作そのままなんだが、これって原作単行本の巻末に寄稿してくれている大沖先生の「はるみねーしょん」関係のやつだっけ?(→はるみねーしょん - Wikipedia) 未読なので詳しくは知らんが、今度読んでみる。違ったらスマン。

はるみねーしょん (1) (まんがタイムKRコミックス)

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一方、律ちゃんと澪さんも同様にプレゼントを選んでいる模様。
律ちゃんがわざわざ選択的にホラーグッズを選んでいるのはもちろん澪さんが同行しているからだろうな。これも二人のレクリエーションという奴だろう。

澪さんの反応は予測どおりで、散々怯えまくった挙句に鉄拳による突っ込みというパターン。ホラーマスクをつけたまま殴られる律ちゃんの顔がグロくて笑える。そして今回のたんこぶはいつもよりずいぶん大きいぞw

豪運の使い道


唯さんはどうやらプレゼントを選び終わった模様。晴れ晴れとした表情から、納得のいくチョイスができたようだ。和さんと歩いていると、アーケード街でリズム隊の二人と遭遇。どうやら目的が同じだったことも察し、合流した4人は年末の商店街にはつきものの抽選会に挑む。



出ている玉の数からどうやら三枚ほど抽選券を使ったらしい律ちゃん。いずれも外れの白玉で、ポケットティッシュ三つを手に入れた模様w その隣で突然高らかに鳴り響くベルの音。見れば、ムギちゃんが豪華景品に当たった模様。

律「…当たったの?」
紬「うん! ハワイ旅行だって!」
一同「(なんて強運なんだ!)」
紬「…でも辞退したの」
一同「なんで!?」
紬「こっちが欲しくて、替えてもらっちゃった。
  クリスマスにみんなでやりましょ?」

そういってムギちゃんが掲げたのは、「超人生すごろく」とパッケージに書かれたボードゲームと思しき箱。


…タイトルから「人生ゲーム」をイメージしたものであるというのはすぐわかる。
その「人生ゲーム」、オリジナルは1960年米国ハズブロ社によって発売された"The Game of Life"、日本での発売は1968年株式会社タカラ(現・タカラトミー)。オリジナルから数えるともう半世紀近い歴史があるんだな。発売以後、時代に合わせて様々なアレンジが施され、また他のコンテンツとのタイアップ版が発売されてきた「人生ゲーム」だが、さすがにオリジナルが海外企業とあっては、商標そのままで作中に登場させるのもなかなか厄介な仕事になる。タイトルが違うのは多分そんな理由だろうと推測(あくまで推測)。



…で、ハワイ旅行を蹴って「超人生すごろく」をゲットしたムギちゃんだが、このときの装いがまた家庭の裕福さを感じさせ、庶民的な4人と対照的。そんな彼女の家庭事情から考えてみればハワイ旅行というのはそれほど新しい魅力を感じなかったのだろうな。むしろ「友達とパーティーゲームで過ごす時間」のほうが、彼女の目にはとても魅力的に映る、ハワイ旅行よりも価値ある時間なわけだ。

悩みは二つ。

一方、憂ちゃんは自宅で料理のレシピ本を眺めて、どんな料理を出したものかと思案している様子。とても楽しそうに選んでいるのが憂ちゃんという子をよくあらわしている。

憂「…そして、何の芸をやろう?」

レシピ本のほかに、「一発芸入門!」というタイトルの本までw
やっぱり本気で考えてたのねw


そしてここでAパート終了。


厨房を仕切るは…

Bパート開始。


オーブンで焼かれるローストチキンを覗き込む憂ちゃん。
様子を確認してまだ時間がかかると判断したのか、別メニューのおにぎりを作りにかかったところ…破裂音と唯さんの驚く声。見に行ってみればパーティで使うはずのクラッカーを一つ無駄にしてしまった模様。コタツの上を見ても飾り付けの作業が進んでいるようには見えないw


…で、こうして姉の様子を見にいく際も憂ちゃんは慌てた様子もなく、トレ−にサンドイッチを乗せて運んでおり、動きに全く無駄が無い。こういうところが「出来た妹」と軽音部一同から評される理由の一つなんだろう。

憂「…掃除してたんじゃなかったの?」
唯「えへへ…つい…」

憂ちゃんの言から、会場となる部屋の掃除をしていたはずの唯さん。クラッカーの飛散物で逆に散らかしているわけで、本来のミッションをまるでこなしていない模様w でも憂ちゃんは慣れたもので怒ったりしない。このぐらい想定の範囲内なのだろうな。


目の前に置かれたサンドイッチがあまりに美味しそうなので目を輝かせる唯さん。そしてつまみ食いしかける姉をとがめる憂ちゃん。一旦手を止めても、目を離した隙にまた手を出そうとする。

憂「(だ…だるまさんが転んだ状態…!?)」

しかしまぁ、こうしたやり取りも二人のレクリエーション。律ちゃんと澪さんにもレクリエーションの形があるように、平沢姉妹にも特有のレクリエーションがある、ということなんだろうな。

憂「まだ全然飾り付けてないし、急いでね」
唯「うん」

唯さん、言われて初めて紙と鋏を取り出す。まだ着手してなかったらしいw

憂「(今から作る気だ…)」

そんなことをやっているうちにドアチャイムが鳴る。
今日のゲスト達が来たようだ。

来客

律、澪、紬の三人が到着し、憂ちゃんに出迎えられる。
律ちゃんが奥にいるであろう唯さんに聴こえるように声をかける。

律「やっほー、唯、来たぞー」
唯「おーい、みんなー、上がって〜」
律「…何してんの?」
唯「やりだしたらとまらなくなっちゃって…」

唯さん、自分で作ったと思しきチェーン(色紙で作った飾りつけの鎖ね)が身体に巻きついてます…って速いなおい! ドアチャイムが鳴る直前に最初の紙取り出して切りにかかってなかったか? いつの間にそんなに作ったんだw

律「プッ…小学生かよ」
憂「あ、コート、もらいます」
澪「働き者の妹と…遊び人の姉…不幸なドラマが始まりそうな設定だな」

唯さんと対照的に、憂ちゃんはゲストに対するホストの心得も完璧。クローク係もしっかりこなす。二人のギャップに要らん心配をする澪さんw

馳走

先ほどオーブンの中で焼かれていたローストチキンを中心に、サンドイッチにケーキなど、憂ちゃんお手製の料理の数々が並ぶテーブル。


なお、サンドイッチは唯さんのつまみ食いの魔手から無事逃れた模様。飾りつけに夢中になってつまみ食いを忘れたのか。まぁもともとつまみ食いしようとした唯さんに飾りつけの話を出したのは憂ちゃん。姉との付き合い方をよく心得ているという解釈が成り立つw

律「うぉ、料理すげえ!」
紬「憂ちゃんが作ってくれたの?」
唯「失礼な! 私も作ったよ? このケーキ!」
(誇らしげにケーキを掲げる)
律「おお、すげー!」
唯「…の上に苺を乗せました」
律「私の言った『すげー!』を返せ!」

うむ、原作どおりw
憂ちゃんの料理は実に豪華で、来賓各位からの評価も上々なのだが、唯さんの評価は前評判どおり。そんな姉を庇う憂ちゃん。

憂「あ、あの…お姉ちゃん色々すごく頑張ってくれて…
  掃除しようとしてくれたり、飾りつけようとしてくれたり…
  それから…えーと…」

…つまり、「しようとした」だけであって、完了させたものは一つも無いわけだがw
そんな妹の心などそっちのけで、姉は乾杯の音頭を取り始める。

唯「じゃあ和ちゃん遅れるっていうから、先に乾杯しようか!」
憂「うん!」
澪「…能天気な姉と健気な妹」
律「…これはこれで、いいコンビなのかもね」

この台詞を澪さんと律ちゃんが言っているところがポイントだな。リズム隊のこの二人は作中におけるもう一つのコンビであり、幼少期からの付き合いという点も含め、平沢姉妹と共通している部分を数多く持つ。

役割的に当てはめれば、律が唯に対応するボケ、澪が憂に対応するツッコミとなるが、そのせいもあってか、同じボケ役である唯さんと律ちゃんが過去に絶妙のシンクロを見せることがあった。四話の合宿や、六話の力士ごっこなどがそれにあたるわけだが、ここの台詞は二人が自分達の関係を通して平沢姉妹を理解したという解釈ができる。

宴の始まり

一同「かんぱーい」

空中で五つのグラスと一つのジョッキが打ち合わされ、乾杯の掛け声がかかる。


…ん? 一つのジョッキ?
まだ和さんは来ていないから、今ここにいるのは唯、憂、律、澪、紬の5人のはず。
五つのグラスがこの5人だとすれば、このひときわ目立つ、ジョッキの主は!?


…いや、まぁもちろん考えうる人物は一人しかいないわけだがw
このパーティでは、この作品でこれまで登場したレギュラーキャラに一通り声がかかっている。ここまでで出てきていないキャラは、たった一人だけだ。


テーブルを囲むパーティの参加者たち。先ほど名前を挙げた5人は画面から顔が見える位置に座っている。手前に座り背を向けているロングヘアーの女性…

律「いや〜今年も終わっちゃうね〜」
(女性の声)「やぁねーオヤジくさい」
一同「ん?」
律「はぁっ!? さわちゃん!?」
さわ子「これ美味しいわぁ! おかわりもらえる?」

…ということで、ここまで原作レベルから演出上意図的に視界から除外されていたさわちゃん登場。呼んだはずの無いさわちゃんがこの場にいることに驚愕する軽音部一同と、何が起こったのかわからず呆気にとられる憂ちゃん。


…そういえば、憂ちゃんはこれがさわちゃんとの初対面ということになるのか。少なくともこれまで顔をあわせた描写は作中に登場していないはず。


そしてさわちゃん乱入までの経緯について憶測をめぐらす律ちゃんたち。

律「まさか、ロープでよじ登り…」
澪「窓から侵入して…」
唯「忍び込んできた!?」

…このときのイメージ映像、さわちゃんは犯罪者というより化け物なんですがw
しかし、第5話で見せた一連の動きからは、その気になればやってのけそうな気もする。
実際にどうやって入ったのか、真偽の程は定かならず。本人の口からは、その推測に対する否定の言葉しか出ていないw

さわ子「まったく、顧問を忘れるなんてどういうこと!?」
律「あぁ、いやぁ…忘れてたわけじゃないんですけど…」
唯「先生は彼氏と予定があると思って呼びませんでした!」

さわちゃんに走った衝撃を表現する落雷。なぜか全員巻き添えw

さわ子「そんなこと言うのはこの口かーっ!」

半狂乱になってキャメルクラッチの姿勢で唯さんの顔を引っ張り報復するさわちゃん。
ひたすら自由自在に変形する唯さんの顔w


このあたり一連のシーンで流れているメタルなBGMが、この期に及んで猫をかぶった穏やかな口調でしゃべるさわちゃんの台詞と相まって謎の緊迫感を生み出している。この曲はさわちゃんのテーマなのかw そういえば、さわちゃんが昔やってたバンド"DEATH DEVIL"の曲という設定の楽曲「Maddy Candy」が携帯の着うた(R)として配信されている模様。詳しくは番組公式サイトで。


具体的な罪状は有耶無耶だが、罰ということでサンタ服を着ることを命じられる唯さん。

唯「…なんでそんなもの持ってるんですか?」
さわ子「……」(目をそらす)

…何に使うつもりだったんだw


こともなげに着て見せる唯さんの態度が、さわちゃんとしては面白みに欠ける様子。その理由ゆえに次の餌食として選ばれるのは…やはり澪さんだw その様子を楽しげに見守るムギちゃん。その脳内でどのような妄想が展開されているのかは知る由もないw


…とそこに、

和「こんにちは〜」

遅れていた和さんがやってきた模様。玄関のドアごしに声をかけている。きっといつも唯の家を訪れるときはこんな感じなんだろうな、昔から。


…しかし、その日はいつもと様子が違ったw ドアの向こうから妙な声が聞こえる。
扉を開けてみると、そこには…

澪「………」
さわ子「………」(目が光る)

澪さんを剥きにかかろうとするさわちゃんと、その餌食となっている澪さん。
和さんが扉を開け、二人の動きが止まる。和さん、状況が理解できなかったようで…

和「…ごめんなさい。間違えました」(扉を閉める)
澪「間違ってないよ! 助けて!」

必死に助けを求める澪さんであった。

狂乱の宴

誰のせいかは言うまでも無いが、本当に狂乱の宴になってしまったw

澪「…もう、お嫁にいけない…」
憂「(…高校生って、なんだかすごい!)」

…いや、憂ちゃん、こういう方向で凄いのは、多分その辺だとそこにいる人たちだけだと思うぞ?w

律「…気を取り直して! プレゼント交換でもするかー!」
唯「おーう!」
憂「(高校生って、切り替えが早い!?)」

いや、だからそれは(ry


しかしこの場には、ある意味で「招かれざる客」であるさわちゃんがいる。
彼女はプレゼントを用意しているのか?

和「あ、でも先生は?」
さわ子「私も持ってきてるわよ?」
一同「おぉー」
さわ子「…本当は…今日、彼氏に渡すつもりのプレゼントだったんだけど」

諸々の意味で重たい雰囲気に包まれる部屋。
…つまり、今日さわちゃんは、彼氏と会う予定だった、と。
このことから、先ほどさわちゃんが取り出したサンタ服を、一体何に使うつもりだったのか、という問いの答えがおぼろげながら見えてくる…深くは追求しないがw

さわ子「それじゃあ、始めるわよーっ!!」

ヤケになってテンションを上げるさわちゃん。音楽教師らしからぬ狂った「ジングルベル」を歌いながら、プレゼントを一つ一つ手渡し回す。このヤケになったさわちゃんは、真田アサミの芸風の真骨頂とも言うべきかw

律「(なんかヤケクソ…)」
唯「(もっと楽しいものじゃないの? プレゼント交換って…)」
澪「(…もうお嫁にいけない)」
憂「(なんか目が回りそう…)」
紬「(今年のクリスマスは今までで一番盛り上がってるかも!)」

それぞれがそれぞれの思惑のもと、プレゼントを回しているわけだが、ムギちゃんだけが楽しそうだ。


そして歌が終わり、全員の手元のプレゼントが決まる…が??

律「あれ? これわたしが買ったやつだ」
さわ子「え? じゃあ交換交換!」
澪「さ、さわ子先生!?」

律ちゃんの手元には、自分で買ったものが届いた模様。さわ子先生は、自分の手元のものを律ちゃんと交換する。つまり、今さわちゃんが手に取ったものは、律ちゃんが用意したプレゼント。ヤケになりながらそのパッケージをやぶり捨てるように開封するさわちゃん。

さわ子「さあ!何かな〜」

直後、強力なスプリングで打ち出されるびっくり箱の人形に直撃を受けるさわちゃんの顔面。律ちゃんのプレゼントを選ぶセンスは、小学生当時と変わっていないらしい。


数々の準備のよさから、本当は今日彼氏と会う筈だったと思われるさわちゃん。それなのにこの場にいる理由というものがあるはず。深くは追求しないが相当残念な理由に違いない。挙句にこの仕打ち。半狂乱になって笑い始めるさわちゃん。

律「あぁっ! 先生が壊れた!」

…なんとまぁ運の無い人だ。今日に限ってはw

プレゼントの中身は?

律ちゃんによって用意された事実上「ハズレ」とも言うべきプレゼントがさわちゃんに行き、それ以外が軽音部員四名および憂ちゃんと和さんの手元に行き渡った。

ムギちゃんには澪さんの用意したマラカス。
律ちゃんには和さんの用意した焼き海苔。唯さんも突っ込んだ通りお歳暮のセンスだなwこうなると来年がサラダオイル詰め合わせとかでも驚かんぞw
その和さんにはおそらくムギちゃんが用意した豪華なお菓子の詰め合わせ。
澪さんには乱入者さわちゃんの用意したDVD。パッケージから察するにデスメタル系のPVか何かか? 勿論もらった澪さんにとっては苦手ジャンルであるわけだが…

唯「まさか、これを彼氏にあげるつもりだったんですか?」
さわ子「…そうよ! 悪かったわね!」(泣き崩れる)
律「(…天然て怖い)」

…このセンスは第五話の回想で登場した8年前の人と交際していたということなのか、あるいは似たセンスの別人なのか。それは定かではないが、この場所にいるという事実を見る限りではもう続いていないのかもしれない。


そして、残る二人は平沢姉妹。プレゼントの行き渡り方を見る限り、互いの買ったものを手にした模様。パッケージを開封してみれば…


唯には憂の買った手袋。
憂には唯の買ったマフラー。


冒頭での登校時、互いに相手が無くしたことを知っていたもの。澪さんが突っ込んでいる通り、他の人のプレゼントが当たったらどうするつもりだったのかは定かではないが、その場合でも大事に使ってもらえただろう。しかし、姉妹のプレゼントは、それぞれが望んだ相手に届くという、最良の結果に。


さわちゃん乱入以来殺伐とした雰囲気が漂っていたパーティが、平沢姉妹のプレゼントで暖かな雰囲気に変わる。そこで一発。

律「よぉーし! 次は一人ずつ芸でもするかー!」
澪「いい話系の流れだったのに…」

芸人たちの夜

もともと一人一芸などという話は無かったのだが、突発的に律ちゃんの思いつきで始まるかくし芸大会。一番手に名乗りを上げたのは、唯さんの与太話から出た「一人一芸」を本気で考えてきた憂ちゃんだった。


右手にトナカイ、左手にサンタのパペットをはめ…

(憂演じるトナカイとサンタ)『こんにちはー!
              メリークリスマス! みんな、楽しんでますかー?』

…腹話術を披露する憂ちゃん。全員から拍手が上がる。喝采を浴びた憂ちゃんは照れて謙遜。

憂「すみません。こんなことしか…」
紬「準備してたの?」
(トナカイとサンタ)『はい。お姉ちゃんに一人一芸って言われてたので』
唯「え!? 本気にしたの!?」
(トナカイとサンタ)『…ちがうの!?』
唯「ごめん憂!」
(トナカイ)『いいよー! 気にしないでー!』

…まぁ、ひどい姉だが笑って許す憂ちゃんは腹話術で受け答える。
妹にばかり芸をさせるわけにはいかぬとばかりに、平沢姉・唯さんがエアギターを始める…って、いつも本物弾いてるじゃないかw 多分その部屋にあるんだろうから引っ張り出せばいいのに。まぁ、唯さんの自宅にはアンプが無い様なのでやむなしか。


唯さんのエアギターに合わせ、エアドラムを始める律ちゃん。ここでもまた二人のシンクロを見ることが出来る。YAMAHA Hipgigは持ち運びが容易なので持ってくれば…ともいかない。こっちは展開する場所が必要だし、唯さんの部屋にドラムセットを展開するというわけにもw


澪さんは結局さわちゃんが持ってきたサンタ服を着る羽目に。ほんの一瞬だけ姿を見せて、すぐ隠れてしまうのが澪さんらしい。ムギちゃんの「マンボウの真似」は、言われないとなんだかわからんぞ(いや、言われてもわからんw)。そして…

さわ子「よっしゃー! 次いくわよー!」

服の前をたくし上げ、腹を見せてそこに平手打ち一発。赤く手形が付き…

さわ子「紅葉…」
律/澪「(綺麗で優しいさわ子先生はどこに…)」(涙)

…どこのオヤジだw


ところで、この場には軽音部員以外に憂ちゃんと和さんがいるんだが、正体を露呈してしまってよかったのかさわちゃんw 先入観の無い憂ちゃんは別として、初めてその正体を知った和さんの表情が絶品。そういやその和さんは芸を披露していないな。


結果的に全員の中で憂ちゃんが最もクオリティの高い芸をやってのけているわけだが。諸々の経緯から準備していたのは実のところ憂ちゃんだけだから致し方ないというかw



で、この一芸披露では唯さんと律ちゃんがエアセッションをしていたわけだが、コンパクトなギターがあれば宴会芸とかで使えるので結構よさげ。エレキならば、FERNANDES の ZO-3 あたりは、こういうパーティに持ち込むには手ごろなサイズ。アンプも内臓なので別途用意する必要もなし。

【参考】FERNANDES "ZO-3"
ZO-3 | FERNANDES OFFICIAL WEB SITE

エレキではなくアコギならば、俺も持っている Martin の Backpacker あたりは最適なサイズかもしれない。

【参考】Martin Steel String Backpacker Guitar
http://www.martinguitar.com/guitars/choosing/guitars.php?p=m&m=Steel%20String%20Backpacker%20Guitar

…って、宣伝してるが別に金貰ってるわけじゃないぞw

宴の跡(痕?)

一同「お邪魔しましたー!」

パーティが終わり、平沢邸を辞する一同を見送った姉妹。
屋内に戻ろうとする途中で、空から舞い降りるものに気づく憂ちゃん。

憂「あ…! 雪!」
唯「あ! ほんとだ! ホワイトクリスマスだね」
憂「…お姉ちゃん、私にホワイトクリスマス、プレゼントしてくれたことあったよね」
唯「え? …うーん…?」

…当の唯さんは、クッションを破いた綿の雪を庭の木に積もらせたことなど覚えていない模様。でも憂ちゃんは忘れていない。


皆が帰り、喧騒が消え、照明の落とされた平沢邸。洗物はあらかた終わって、暗い部屋のこたつの上、展開されたままの「超人生すごろく」がパーティの余韻を残すのみ。祭りの後は寂しさが残るもの。


…ムギちゃん、「超人生すごろく」持って帰らなかったのねw


パーティを支えた一番の功労者である憂ちゃん、ベッドに入り今日の出来事を思い返す。

憂「(…今日はホントに楽しかったなぁ)」
(ノックの音)
唯「憂? 入るよ?」

枕を持って憂ちゃんの部屋に現れた唯さん。今日は一緒に寝たいという姉を、妹は喜んで寝床に招き入れる。憂ちゃんのベッドにもぐりこむ唯さん。両手には憂ちゃんからのプレゼントである手袋が。

唯「今日はこれして寝るんだ。あったかいから」
憂「わたしも、マフラーして寝ようかな。あったかいから」

楽しく温かかった今日の出来事を、せめて明日の朝まで二人で分け合う。
そんな姉妹のやりとり。


…しかし、夜中に布団の主導権を寝相の悪い姉に奪われた妹は、雪の降る寒い夜に震えることになるのだったw

平沢姉妹の年末年始

両親が年末年始にかけてドイツ旅行に出かけてしまった平沢家。家には唯さんと憂ちゃんだけ。その年の瀬の実態とは!?


憂ちゃんは三角巾にエプロン、手にはハタキ。どうやら大掃除をやっているらしい。対する唯さんはコタツに入りテレビを見ている。おそらく12月30日。

憂「お姉ちゃん、埃落ちるよ?」

タツに入ってぬくぬくとしている唯さんのところに、憂ちゃんが丼の乗ったお盆を運んでくる。おそらく12月31日。

憂「お姉ちゃん、年越しそば!」
唯「わーい」

同じようにこたつでぬくぬくしている唯さんに、お椀が二つ乗った盆を運んでくる憂ちゃん。おそらく元旦。

憂「おもち、二つでいいよね?」
唯「うん」

こたつでみかんの皮を剥き、姉に差し出す憂ちゃん。一月二日か三日か。

憂「みかんむけたよ」
唯「あーん」

…みかんぐらい自分でむきなさいw

軽音部の年明け

年末から年始にかけての一連を回想として語った唯さん。

唯「年末年始はこんな感じでした」
律「憂ちゃんくれ!」
紬「相変わらずいい姉妹ねー」

原作の書き文字にあった「お前はおばあちゃんか」も結構好きなんだが、アニメでは出てこない様子。


クリスマスの晩が過ぎてから、いつの間にやら作中の時期は年が明けている。
軽音部四名揃って年始参りに来た模様。

律「それだけ食っちゃ寝してたら、太っちゃうんじゃないか?」
唯「私、いくら食べても体重増えないんだ」
澪/紬「そんなわけないでしょ!」

滅多に見られないムギちゃんの取り乱した姿が面白い。
音声が伏せられているので具体的数値は不明だが、澪、紬の両者とも数[kg]の体重増がある模様。


律ちゃんの計略にはまり一人だけ晴れ着の澪さん、年始から妄想癖は健在のムギちゃん。まぁ、年が明けたからといって何か大きくかわるわけでもない四人。

その後四人でお参りするも、各自勝手に願掛けし、軽音部の活動に結びついた内容が一つも無い。そしてやりなおし。今度は…?

澪「演奏が上手くなりますように」
紬「みんなと楽しく過ごせますように」
唯「ムギちゃんの持ってくるケーキをもっと沢山食べられますように」

…そして鉄拳による制裁の後、

唯「…ギターが上手くなりますように」
律「よぅし!」

普段は澪さんによる鉄拳制裁を受ける側の立場である律ちゃん、今日に限っては制裁を加える側だった模様。


無事年始参りを終えた四人はいつもどおりの他愛ない話をしながら帰途につく…と。



年始参りでは、原作にあったムギちゃんの「普段着を着るのが今年に入って初めて」ネタと、さわちゃんのおみくじ連続引きなおしが割愛されているな。まぁ、尺が足りんかったのだろうと推測。


次回予告

第一話で高校に入学した軽音部の面々も、いよいよ進級して二年生に。


もちろん時期を同じくして桜高には後輩達が入学してくる。唯さんの妹・憂もその一人。
入学前に友達を連れて軽音部の見学に来た憂たちをメイド服でお出迎え…?? そして4人がジャージを着ている理由(笑)とは?


…まぁ、メイド服が誰の仕業(あるいは差し金)かはもはや言うまでも無いし、ジャージの理由もわかっちゃいるんだがw


次回予告では一切触れられていないが、目まぐるしかった第五話並みのテンポで進行すれば、彼女の登場までありうるか? あるいは第九話でじっくりやるのか? また、その際の OP/ED はどう変わる? 楽曲に関してはギターパートが二つあるから、追加することに問題はないわけだが。


感想

次回の第八話で語られる部活見学をもって原作単行本一巻の内容は終了するところまで来た。


今回の話は、これまでの中で最も音楽成分/部活成分の少ない話。
良くも悪くも本当の意味で、日常を描いたもの。軽音部の面子が「部活の仲間」ではなく「プライベートな交友関係」として描かれた回とも言える。


音楽活動とは離れた営みを描いた過去の放映回としては第三話の追試勉強があったが、あの回は

「成績の低下で唯が部活動禁止になることに起因する、軽音部存続の危機を回避する」

という「部活動としての」動機から離れておらず、今回の「クリスマスパーティ」や「年始参り」のような「プライベートな交友関係」として描かれたのはこの第七話が始めてだ。


便宜上「軽音部のパーティ」と銘打ってはいるが、本当にそれだけであれば和さんを律ちゃんが招いたり、憂ちゃんがあれだけ溶け込んだりはできない。いかに顧問とはいえ、招かれてもいないさわちゃんが唯の自宅に上がりこむなどということもできないだろう。


第一話時点において作中に描かれていた唯さんの身近な人間が、妹の憂ちゃんと幼馴染の和さんだけであった頃から、過去六話のうちにこれだけ友達が増えた、という事実を確認する回だと観ることもできるし、まだ中学生である憂ちゃんが軽音部の面々と馴染みを深める話でもある。ついでに言うと、さわちゃんの正体を知るものが二人増えたことにもなる。


まぁ、しかし…なんというか、今回は特別これといったガジェットが出てこないのが淋しい話で、非常にまったりとした「軽音部の馴れ合い」を描いた話なので、この話「だけ」を単独で評するなら「物足りない」となるが、この「軽音部が馴れ合っている」という事実を踏まえることで、次回八話あるいは次々回九話に訪れるであろう「彼女」の憤慨がより強く印象づけられる、と考えることにしたい。