そんなに知られてなかったのか?

火星到着後2年8ヶ月を超えて活動を続ける探査車Opportunity | スラド

「火星には大気があるってことですよね?」

というコメントを見て、
「えっ? 火星に大気があるってことはそんなに知られてなかったのか?」
とびっくりした。


バイキング1号による探査の時点で、二酸化炭素が約95%を占め、表面での気圧が 6.1[hPa]という希薄な大気が存在することが確認されているし、時折黄雲のような気象現象が見られること、太陽系最大の火山であるオリンポス山*1は黄雲発生時にも頂上が衛星軌道上から見えるなど、火星に大気があることは比較的広く知れ渡っている情報だと思っていたんだが、どうもそうではない模様。


ちなみにキム・スタンリー・ロビンスンのハードSF小説「レッド・マーズ」では、火星で最も効率が良く安全と思われる飛行機械として水素飛行船が登場していたりする。酸素が皆無(0.13%)という火星大気の中では事故を起こしても地球上のように爆発炎上したりせず、希薄な大気の中では速度を上げても大きな揚力が期待できない翼やプロペラよりも効率的に浮上できるからだが、これも周囲の大気との比重差によって浮上するわけで、火星に大気があるからこそ出てくるアイデアだよな。


レッド・マーズ〈上〉 (創元SF文庫)

レッド・マーズ〈上〉 (創元SF文庫)

レッド・マーズ〈下〉 (創元SF文庫)

レッド・マーズ〈下〉 (創元SF文庫)

*1:周辺大地からの高さが約26[km]。参考までに富士山が海抜3.776[km]で、エベレスト(チョモランマ)が海抜8.84443[km]。