【読了】アン・マキャフリィ「歌う船」 / Anne McCaffrey's "THE SHIP WHO SANG"

歌う船 (創元SF文庫 (683-1))

歌う船 (創元SF文庫 (683-1))

ある者はいう。
SF史上最高のヒロインは、武部本一郎の描くデジャー・ソリス(E.R.バローズ「火星のプリンセス」他)であると。


しかしこれから私はいうだろう。
私の出会った最高のSFヒロインの一人は「歌う船」ヘルヴァであると。


先天的障害のために身体から切り離され、脳だけの存在として金属の殻に覆われ宇宙船に直結された存在ではあっても、彼女ほど素敵なヒロインはそうそういない。


正直なところ、これまでSFを読んでいてここまで惚れ込んだヒロインというのは他にいない。


先に挙げたデジャー・ソリスはいまいち私の好みじゃない(というか、古風に従順すぎるあたりがバローズ作品の粗暴さが現われている一面だと思う)。

火星のプリンセス―合本版・火星シリーズ〈第1集〉 (創元SF文庫)

火星のプリンセス―合本版・火星シリーズ〈第1集〉 (創元SF文庫)

「ヴァーチャル・ガール」(エイミー・トムスン)のマギーは可愛いとは思うが、真っ白すぎてちょっと違う(アンドロイドだからね)。

ヴァーチャル・ガール (ハヤカワ文庫SF)

ヴァーチャル・ガール (ハヤカワ文庫SF)

強いて言うなら「惑星カレスの魔女」(J.H.シュミッツ)のゴスだが、ちと精神的に幼すぎるかも。そこが可愛いといえば可愛いんだが。

惑星カレスの魔女 (創元SF文庫)

惑星カレスの魔女 (創元SF文庫)


…まぁ、確かにヘルヴァとなら「馬の首星雲」(馬頭星雲)まで行けそうだな。