時間も少々開いたが

実際に映画を見てから時間も開いたが、当日買ってきた「アレキサンダー」のパンフなど読んでみる。
ジャーナリストの早坂隆氏によるコメントが、見開き2ページにわたって書かれているのだが、こんな箇所がある。

兵士を前にした司令官が大声で勇気を鼓舞させるのも、戦いに「自由」や「開放」といった美名を冠するのも、「神」の名を連呼するのも、今のどこかの超大国の大統領とまったく変わらない。

…たしかにそれらの点についてはそうだね。しかし、その「大統領」とアレクサンドロスの間には、決定的な差がある。それは、

アレクサンドロスは、自ら剣をとり馬を駆り、兵たちと供に前線に出て、己の命も等しく危険に晒して戦った」

ということ。前線から離れた安全なホワイトハウスでSPに護られながら、兵たちだけに命のやりとりを命じている「どこかの超大国の大統領」とはその点において全く違う。その点、ジャーナリストとして早坂氏はどう考えているんだろう?

映画冒頭で、少年期におけるアレクサンドロスの教師役として登場するアリストテレスは言う。

「王として兵を率いて戦に出るならば、お前自身が兵達に命じるのと同じことを出来ねばならない」

…あの台詞はそういうメッセージでもあったんじゃないかなぁとか思わんでもない。