MSのFATシステム特許は有効--米特許商標庁が裁定

MSのFATシステム特許は有効--米特許商標庁が裁定 - CNET Japan

えーと、最初にことわっておくが上記報道には色々と問題がある。

  • (1) FATはWindows以前の、MS-DOS(もしくはPC DOS)から使用されていたファイルシステムであり、「本来Windowsのために開発された」というのは虚偽である
  • (2) 8.3形式ファイル名にしか対応していなかった「FAT」と、Windows95以降で採用された long filename に対応する拡張を含んだ「VFAT」を混同している
  • (3)「どこに」特許がかかっているのか明確にしていない

なんか、これだけでこの報道がMicrosoftお得意のFUD戦術である臭いがプンプンするんだが。しかも生殺与奪権を握っているのが自分であることを誇示している分、今までのFUDよりもずっとタチが悪く、むしろ恐喝に近い

参考:What is FUD? 日本語訳

考えてみれば、ファイルシステム上の空き領域検索やチェインをとるためのデータ構造なんてものは CP/M とかでもやってたと思うし、階層化ディレクトリとかは unice から取り入れられたアイデアなので、MSの特許にはなりそうもないように思うんだが…


で、聞くところによるとVFATの long filename 関連の特許らしい(伝聞かつ裏は取っていないので、違ったら突っ込んでいただきたい)んだが、それなら別に8.3形式の「FAT」(VFAT拡張を含まない仕様)で使う限りは問題ないってことになる*1。だけどそういった部分をぼかして、「他ではFATは使えなくなるよ」という印象を与えて不安を煽ることが出来さえすれば、MS的には成功なわけだな。


さすが世界一のDQN企業はやることが違う。違いすぎて「こいつらを何とかしてくれ」と思うわけだが。

*1:デジカメとかは大抵8.3に収まるようにファイル名がつくので、まず問題ないと思われる