「アイ・ロボット」/ "I,ROBOT"
- 出版社/メーカー: 20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント
- 発売日: 2006/04/28
- メディア: DVD
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公開当時、金が無かったのといろいろ忙しかったので見られなかった "I,ROBOT" のDVDがコンビニで1500円だったので買ってきた。金払って買って観たから、ようやく思う存分文句がつけられるぞw
…えーと、なんですかこれは?
たまにネタ会話で「ハリウッド版○○」とかいって、○○にあたる作品に登場するガジェットをハリウッド映画のお約束に意味なく当てはめてみる遊びをやるんだが、それを素でやってしまった感じ?
大体、この映画が原作であると主張している Isaac Asimov 著 "I,ROBOT" は、「ロボット工学の三原則」を根幹に据えた上で、「ロボットがその三原則を頑なに守ってしまうがために人間が困惑する」というのが醍醐味なんだが…*1、
この映画では「三原則に縛られないロボット」同士のアクションバトルになってしまっている。そうじゃないだろ! Alex Proyas や Jeff Vinter、Akiva Goldsman はこの映画を作るにあたって、"I,ROBOT" の一体何を読んでいたのやら。一番面白いエッセンスが台無しじゃないか*2。
二年前の映画に今更文句をつけるのもなんだが、映画を作るにあたってオリジナルのストーリーを構築するのはかまわんけど、原作のエッセンスである「三原則を頑なに守るロボットと、それゆえ困惑する人間」だけはちゃんと踏襲してほしかった。それにスーザン・キャルヴィン博士は銃ぶっ放すような人じゃないぞ*3。
まぁ…なんていうか、この映画を観るより原作のほうを読んで欲しいな、俺としちゃ。
われはロボット 〔決定版〕 アシモフのロボット傑作集 (ハヤカワ文庫 SF)
- 作者: アイザック・アシモフ,小尾芙佐
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2004/08/06
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- 作者: アイザックアシモフ,Isaac Asimov,小田麻紀
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- 発売日: 2004/08/01
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【追記】
当初、表題を Will Smith's "I,ROBOT" として、文面の上でもWill Smith に文句をつけるような形になっていたが、Will Smith は看板だけども監督や脚本じゃないので、話の中身について文句をつける相手じゃないだろうということで文面を修正。すまん Will Smith.
【さらに追記】
うーん、何度か見ているうちに、映画中のUSR社の"VIKI"による三原則解釈が、「ロボットと帝国」のR.ジスカルド・レヴェントロフによる第零原則にヒントを得たもののように思えてきた。ただ、かなりの曲解だが。
*1:一つ例外があって、第一原則を弱められた危険なロボットと人間の間の知恵比べ的なエピソードが存在する。
*2:…なんか、映画「スターシップ・トゥルーパーズ」を作ったときに「原作読まずに撮り始めた」と公言してハインラインのファンから総スカンを食らったポール・バーホーベンのほうがよっぽど正直に思えるw
*3:まぁ、どんだけ原作のエッセンスがおざなりにされてると言っても、P.K.ディック原作の諸々に比べればまだマシな扱いを受けているほうかw