今日の東京は曇っている。
ともすれば雨すらぱらつく程に。
地上にいて、都市にそびえ立つ建築物の輪郭に切り取られた空は、何処までも曇っているかに見える。
だが少し高いところに登ってみれば、ずっと遠くに雲の切れ間が見える。方角と時刻によっては1億4960万[km]彼方にある核融合の炎が見えるかもしれない。さっき見てきたけどな。
富士の方向に見えた雲の切れ間から覗く日没の太陽は、この所ずっと残された時間と戦いながら室内に閉じこもって仕事をしていた目には久し振りの美しい光景だった。
生きていればこそ、曇る日も雨の日もあろう。そして間違いなく晴れの日も。その日は確実に訪れる。