海ノ口駅ホームを撮る前に。

夜の海ノ口駅ホーム。

作中と同じアングル(トリミング前)で、このアングルの写真は皆撮りたいものと思われる。
だが、それを考えなしに実行に移す前にちょっとだけ知っておいてほしいことがある。


ホームの向かい側にある二本の桜の木。「ツインズ」12話で、麻郁が勢いで深衣奈にプロポーズしてしまうシーンで森野生徒会長ほか3名がその様子を伺っていた樹のあった場所だが、作中と趣が異なっている。

実は作中で描かれていた当時の桜の木は枯れてしまい、地元の皆さんやシリーズのファン活動によって、2006年に新たな桜の木を植えてまだ2年といったところ。以前の桜の樹が枯れてしまった理由のひとつに、根元の地面が踏み固められてしまったことが挙げられている*1


おそらく、上の写真と同じアングルでホームを撮ることを望んだファンたちが、その場所を足場にして写真を撮り続けたのではないか。現在、桜の根元にはツツジが植えられており、そこから線路側に立ち入らないようにという目印になっているが、ファンならば作中の背景と同じアングルで撮った海ノ口駅の写真を欲しがるのも理解できる。そこで、まだ若い新たな桜の樹を以前の桜と同じ悲運に遭わせないために、上のアングルの写真を撮る方には若干の工夫をしていただければと思う。


今回私が用いた手法は次のようなもの。

用意するもの

  • 三脚
  • レリーズケーブル

で、こうやる。

三脚を設置するときにツツジの内側に足を踏み入れないように注意してほしい。また、そのままではレリーズボタンに手が届かないため、三脚設置前にレリーズケーブルを接続しておき、その状態で三脚を設置する。

三脚は人間の足のように接地面積が広くなく、しかもばたばたと動き回らないため、桜の根元の土を踏み固めることがない。そしてレリーズケーブルで遠隔操作することで、自身は桜の根元に立ち入ることなく撮影できる。ほとんどのデジタルカメラはバックの液晶モニタでフレーミングできるため、ファインダーをのぞく必要もない。


こうしたちょっとした工夫で、大切な風景を守りながら欲しい写真は撮れる。既に駅ホーム向かいの桜の樹という、作中に登場した大切な風景が失われてしまったことを忘れないようにしたい

*1:海ノ口駅の待合室には、これに関する文書が掲示されているが、小さいので見逃してしまう人もいるかもしれない。