突然だが、仮に下記のような観測結果が出たとしよう(あくまでも喩え話なので、実際の統計結果は知らん)。
- ハゲの人は癌の発症率が高い。
- 癌を発症する人にはハゲが多い。
しかし、ここから
「ハゲると癌にかかりやすくなる」
とは言えない。
観測された数字が出てきた背景を読みとかねばならない。
これは小中学生でも理解可能な算数の話で、
xとyが比例し、xとz が比例するとき、yとzは比例する。
におけるyとzをそれぞれ癌率、ハゲ率とした場合に、共通に介在している値xが存在しているだけのこと。
この場合は「年齢」がこれにあたる。
老いるほど癌にかかりやすくなるし、またハゲやすくなる。しかし、ハゲが癌を引き起こす直接要因ではない。
比例関数は相互に値をコントロールしあうが、因果関係は結果が原因をコントロールできるわけではない。この場合原因はあくまで年齢であり、ハゲと癌のいずれも他方の要因にはなりえず、ハゲと癌に因果関係があると考えるのは誤りだ。
この「ハゲと癌」に似た論法で、あたかも両者に因果関係があるかのような論証は要注意。