- 作者: アーサー・C・クラーク,深町眞理子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2005/07/21
- メディア: 文庫
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先日古書店にて、訳書と原書を初版で入手したものだが、この週末に読了。
原書の出版が1961年。もちろんアポロ以前に書かれた月面ハードSF。しかし、舞台となる「渇きの海」の設定以外は観測事実から得られたリアルな描写で、まさに「クラークのハードSF」と言って良い。しかも話は二転、三転し、最後まで息もつかせぬ展開。
月面で起こった大事故からの一大救出劇。
乗客を乗せたまま「渇きの海」に沈んだ月面遊覧船セレーネ(月の女神)号。船内に閉じ込められた乗客達の人間ドラマ、「液体と個体の悪い面ばかりを持つ」月面の塵に満たされた「渇きの海」に沈んだセレーネ号から、どうやって乗客たちを救出するのか奮闘する人々。とてもエキサイティングな物語。
私がハードSFの面白さを知ったのはホーガンの「星を継ぐもの」だったんだけど、まだそれを知らない人に読ませる最初の一冊としては、この作品も良いだろうなぁ。