Public Domain なもの

mixi において、マイミク中で二名ほどが「のまネコ」問題について書いていたので、ちょっと書いてみたりしようとか思った。

あれの「オリジナル」と主張されるキャラ(2chは基本的に見ないので詳しくは無いが)って事実上 "Public Domain" だよな。日本では著作権というものは自然発生権であり、著作を行った時点で何処に届け出ずとも自動的に発生する権利で、譲渡は出来ても放棄は出来ない(ついでに言えば「著作権」の譲渡をしても「著作者」であることは変わらない。「著作者」と「著作権者」の違いに留意)んだが、あのキャラに関しては

  • まず著作者が特定できない。
  • 仮に名乗り出た者がいたとしても、その人物が著作者であることを客観的に証明する手段が無い。
  • 複数の人間により、2ch 以外の場所にも度々登場している。
  • 「最初に普及した場所」が 2ch だとしても、2ch が発祥だと証明できないので、「2ch コミュニティ」(そんなものがあればだが)の著作物とも証明できない。

といった理由から、事実上 Public Domain という状態になっている、と理解している。


で、私のスタンスは、

Public Domain なものは、誰かが私物化し独占的に扱わない限りは、
それで商売しても二次創作しても別にかまわんのじゃないか。

というもの。

六甲のおいしい水」とかも別にハウス食品が六甲山系地下水を独占しているわけではないが、頻繁に六甲に赴くことの出来ない人に流通というサービスを付加することで商品価値が生まれているわけだ。ハウス食品に金を払うのが嫌ならば、六甲に赴きそこの水を飲んでも別にいいわけだから、万人がオリジナルの六甲山水系に接する権利を奪っているわけじゃない。


で、「のまネコ」とそのオリジナルと主張されるキャラ(「モナー」というらしいが合ってる?)だが、Avex は二次創作に対して権利を主張したと看做すことはできても、オリジナルに対する権利は主張していないので、オリジナルがこれまでのような「事実上の Public Domain」でなくなったわけではない。

しかもこれって「商標出願」じゃないか。別に「モナー」を商標出願したわけじゃないだろ。著作権特許権、商標権、意匠権など、諸々の「知的所有権」の区別が出来てない人もかなりの数に上りそうだ。


Avex はオリジナルの「モナー」に対する著作権が自分らにあると主張したわけでもないし、それは出来ない。元ネタがモナーであるにせよ、「のまネコ」自体は紛れも無く二次著作物であるから、二次著作者としての権利は当然その二次著作者に帰属するわけで、そうなるとあとは二次著作者とAvexとの契約の問題だけだ*1


んで、「モナー」に関しては個人、コミュニティ、企業を問わず、誰一人何一つ失っていない筈。
それなのになんであんなに騒いでいるのか、私としては理解に苦しむ。
Avex が「のまネコ」を商標出願し商品化したことで、何かを失った人がいればぜひ教えてくれ。

*1:ん? ひょっとして商品化するための「名前」を商標出願しただけで、あのキャラに対する「著作権」は主張してないのか? その場合、商品化について著作権者が「ダメ」といわないなら問題ないわな。←追記。名前だけではなく図案も出願されているので問題あり。