Graffiti 再び。

Graffitiというテキスト入力インタフェースをご存じだろうか?
かつてPalm社によって開発されたPDA 用OS "PalmOS"で採用されていた、簡略化された一筆書きによってテキストを入力できるという手書き入力インタフェースである(細かい経緯の解説は省略)。約10年前にあたる2003年頃は、私も各種Palmバイスを使用していた。


時は流れ、かつてPDAと呼ばれた概念も現在はスマートフォンタブレットなどに取り込まれ、市場は概ねiOSAndroidという二大勢力の様相を呈している。手元にあったPalm m110やVisor PrismはiPod touchiPad, nexus7などに置き換わった。

そんな中、OS標準のソフトウェアキーボードによる入力が辛いことに気付いた。タッチバネル画面上に作られた仮想的なキーボードでは、物理的実体を伴うキーボードのように、視点を編集中のテキストから動かさずに指先でキーの位置を把握することができず、どこを叩いても感触が変わらない。目で見るより速く感触でtypoを認識することができないのだ。これを揺れる電車で使うとなると、かなり辛い。typoしやすいという最も根元的な問題を抱えているのだ。

そこで、かつてPalmで使用していたGraffitiを思い出した。そもそもキータイプ式ではないのでキーの位置を把握する必要はなく、多少乱雑に書いても認識してくれるので揺れる電車の中でも問題ない。

現時点でOS機能の置き換えを行うアプリの公開をAppleによって禁止されているiOSでは望めないにせよ、Androidではキーボードアプリとしての実装が存在する。nexus7で導入してみたところ、大変に快適であった。しかもPalm 時代にはなかった予測変換のおまけつき。辞書が他の入力系より貧弱かも知れないが、typoの問題に比べれば大したことはない。


キーボードアプリには不用意に入れるとセキュリティ上の問題があるとはいえ、iOS でも対応の道ができないものか。