※これは2023年8月12日の記録です。
長野県白馬村の宿で一泊し二日目。
朝、宿の食堂でご挨拶しトマトジュースをいただく。宿のご主人が大変にバイクに関して造詣の深い方のようで、宿の中に車体や模型が展示されていたり、各所に写真が飾られていたり、関連雑誌のバックナンバーが揃っていたり。
そんな宿でオーナーご夫妻から、白馬村周辺を中心に、長野県のツーリングスポットについてうかがうことができた。なかでも興味を惹かれたのが「蓮華温泉露天風呂」。この温泉の露天風呂は本当に湯船だけで、脱衣場も洗い場もなく、露天風呂に向かう登山道の途中に存在し、入浴客は皆隔てる壁も何もなく屋外のその場で服を脱いで湯に浸かるようになっているのだとか。
場所を調べたら、長野-新潟県境を越えた先、新潟県の南の端。白馬村は長野県の北西の端にあり、新潟県・富山県に面している。なので県境越えでも普通に行ける距離なのだそうだ。まあ東京都民の自分も割と気軽に神奈川とか出掛けてるし、距離感だけ言えばそれに近いのだろう。
その辺を覚えておきつつ、まずは本来の目的である木崎湖へ…と思ったが、宿を出てまもなく「道の駅 白馬」があったので立ち寄る。
ゆるキャラが良いw ちなみに道の駅白馬には、焼きいも、大学いも、芋けんぴの冷凍食品自販機がある。
九州を走っていたとき宮崎県の道の駅日向にあったやきいもの自販機に驚いた記憶があるが、こちらは冷凍食品の自販機なので、買ってお持ち帰り後レンジアップの流れになり、その場で食べられるわけではないようだ。道の駅白馬の来訪記録をゼンリンのアプリ「道ゆき」に記録後、木崎湖に向かう。
巡礼の起点をどこにしようかと考えたが、始点は同時に終点でもある。やはり縁川商店ことYショップニシさんが良いだろう。ということでまず向かう。
着いた時間が早すぎてまだ営業開始前だった。でも、湖を一周して戻ってきた頃には開いているだろう。ということで、ひとまず自販機でジンジャーエールを買って水分補給と休憩後、湖の周囲を反時計回りに巡るコースに乗る。
Yショップニシさんから反時計回りに巡るとき、最初に訪れることになるのはJR大糸線海ノ口駅である。昭和4年(1929)開業以来変わらぬ佇まいが11年前と同じように迎えてくれる。
↓海ノ口駅では毎回このアングルで撮影してしまうな。
放映から20年の間、この駅を訪れるファンたちによってずっと綴られ続けてきた「海ノ口ノート」は現在85冊目。11年ぶりに自分も書く。
この一角をみると「再びここに舞い戻ってきたのだなあ」と感じる。そういえば、自分が初めてこの地を訪れた2008年、巡礼の感動とともに残念な話も聞いたのを覚えている。海ノ口駅ホーム向かい側の桜の樹が、作中アングルの写真を撮りたがるファンによって根本を踏み固められた結果枯れてしまい、新しい桜の樹を植えたというもの。確か当時の記事を探せば言及していると思うのだけど、その桜の樹が今どうなっているか、というのも楽しみの一つだった。
初めて訪れその話を聞き及んだ2008年から15年。だいぶ立派に育ったと思う。
海ノ口駅を辞し、湖の北岸を通って西側にまわる。過去の巡礼では公共交通機関利用の徒歩だったので徒歩で渡れる道を通っていたのだけど、今回は自動二輪であるので車輌通行可能な道を通る。
北岸を横切り、湖の北西部にあるのが海ノ口上諏訪神社。作中時期にあわせて夏に巡ることが多い巡礼の中で、木陰に覆われた神社の境内はとても涼しい。
湖の西岸に沿って南下し、木崎湖キャンプ場へ。市営駐車場が満車だったのでどうしたものかと逡巡していたところ、受付の方に「見学なら大丈夫です。二輪駐車場は空いているので」とお声がけいただいた。ありがたく二輪駐車場を使わせていただき、象徴的な一枚を撮りに向かう。
このみずほ桟橋を臨む景色は初めて来た15年前も、最後に来た2012年も、そして今も変わらず美しい。でも実際は毎年老朽化による事故を防ぐためにキャンプ場の負担で修繕されているので、この景色は不断の努力によって維持されていることを忘れてはいけない。自分も寄付などして貢献せんといかんなぁと思った。
自販機には10周年当時のステッカー、そして管理棟受付には20周年のディスプレイ。作品に登場し、20年来その風景を守り続けてくださっていることに感謝を。
そして飛び出し注意。
木崎湖キャンプ場から湖の南端付近を進むと宿場通りへ。そこにある星湖亭も重要なスポット…なのだけど。
食事に「まりえカレー」を、と思ったのだけど、うかがったタイミングの間が悪く、おかみさんが不在とのことで食事は断念。でも隣の通称「星湖亭公園」は大丈夫。
ここはツインズ的に重要なスポットなので。
そして次のスポットはJR大糸線稲尾駅。
駅舎の前の植え込み、ずいぶん大きくなった。初めて来た時からここは毎回撮っていたと思うので、作中で描かれた当時、15年前に訪れた時、10年前の時、そして今の写真を見比べてみたら、写真手前の木の成長が良くわかるかもしれない。
稲尾駅に関して、作中当時から明確に変わったポイントがひとつある。
ホームに上がる階段の下のほうが、隣接する道路の歩道と同じ高さの点字ブロックつき通路で埋められるようになった。以前はこの通路がなかったので、作中では埋められる前の階段下からのあおりアングルで雨宿りのために駆け込むカットが描かれていた。
稲尾駅の次はゴールとなる、出発点ともなった縁川商店ことYショップニシさん。作中において小石さんの家であり、深衣奈、樺恋のバイト先として登場するお店。出発時の写真にもある通り、今も二人はここでバイトしている。湖を一周する間に営業時間になっていたので、こちらで買い物と食事をいただく。
食事はざるそばに野沢菜おやきを添えていただいた。野沢菜おやきは一度食べて以来大好きで、多分来るたびに食べていると思う。ポッキーとサラダプリッツは作中でポッチーとサラダプリッチとして頻出するお菓子なのでやはり買う。
ひとまずこれでツインズ20周年記念巡礼は完了となった。15年前、初めてこの地に降り立ったとき感じたのは、ここに確かに彼女らがいたのだ、自分はその同じ場所に立っているのだ、という感動だった。放映から20年が経った今もきっと、彼女らはこの場所を大事に思い生きているのだと思える、そんな巡礼だった。