この国で漫画文化が隆盛を極めて久しい。
その中に「都道府県漫画」として分類できるものがあると考える。ここでは日本に47ある都道府県のうち、特定の都道府県にスポットを当て、その土地特有の文化を主要な題材とし、誇張や脚色はあっても基本的には実際に存在する文化風習に立脚して描かれる漫画作品をそのように呼ぶことにする。
そうした「都道府県漫画」のうち、どうも自分は下記の作劇要素を持つ作品が好きらしい。
なので、各都道府県についてこの要素を持つ作品を知りたいのだが、当初自分は北関東三県を題材とした三作品しか思いつかなかった。先日一つ教えてもらいそれが四作品になったが、まだまだ足りない。下記に挙げたもの以外に該当する作品があれば情報が欲しい。
ある意味でこの分野の金字塔ともいえるのが、群馬県を舞台としたこの作品だろうか。ネットミーム的にも以前から北関東の秘境扱いされてきた群馬県を目一杯誇張脚色している。群馬県は色々とネタが強くてある意味羨ましいところがある。
著者の一葵さやか先生、たぶん自分が一番最初に知ったのは「蒼き鋼のアルペジオ」スピンオフ作品「メンタルモデル・リサーチ」だったと思うが、栃木ローカル番組のオリジナルキャラクター「まろに☆え~る」や、宇都宮市非公式PRキャラクター「蒼空はるか」さんのデザインなどを手掛ける、云わば「栃木作家」とも謂うべき御方で、この作品も先生のそうした栃木作品群の一つとして捉えることができる。美少女キャラクターの暴走は読んでいて楽しい。
北関東三県はいずれも「都道府県魅力度ランキング」で長らく最下位付近を低迷しており、中でも茨城県は長らく最下位である47位を占めていたとされる、いわば都道府県界のデスクリムゾン的なポジションにあるが、それは逆にネタとして強みでもある。前出二作品に比べマイルドな語り口だが、基本作劇は先に述べた要素を満たしている。北関東三県ではガルパンのおかげで最も多く足を運んでいるのがこの茨城県であるので、大洗以外にも足を運んでみたくなった。
前出の北関東を題材とした三作品しか思いつかなかったので、他に同様の作劇要素を持つ作品が無いか情報を募ったところ、中部地方は名古屋を擁する愛知県ネタではこの作品があると指摘され、そういやそうだな、と。作中にも登場する「飛翔」は2022年に移設を前提に撤去されたが、移設先が見つからず保管中、とのこと。
…そんな感じで今のところ自分が把握している4作品を挙げたが、他にもあればぜひ教えていただきたい。