【読了】野尻抱介「太陽の簒奪者」

太陽の簒奪者 (ハヤカワJA)

太陽の簒奪者 (ハヤカワJA)

読了。人類とは異なる形態を持つ地球外知性とのファーストコンタクトSF。

ただ、ファーストコンタクトしてからの過程ではなく、ファーストコンタクトが成立するまでの過程を追っているあたりがなかなか新鮮。人類が「知性とはこうに違いない」と考えている裏をことごとくかいた地球外知性と、ひたすらすれ違い続ける話。こういうのも面白い。そのテーマを描く上で、ガジェット類の描写がハードSF路線を固持しているところに好感が持てる。R.L.フォワード「ロシュワールド」やカール・セーガン「コンタクト」のネタなどが登場するあたりも、俺的にたまらん(w

で、作中の地球外知性「ビルダー」だが、ちょうど俺的に視聴時期のかぶった「雪風」の「ジャム」を彷彿とさせる(w あれもあんな感じだったよな。人間が直接コンタクトしようとしても理解できなくて、機械の仲介(「雪風」では雪風、「太陽の〜」ではナタリア)があって、初めて理解が成立するあたりに、ちょっとした類似性を見出してしまった。