常備旅行装備の紹介など。

なんとなく旅に出たくなったが、準備している時間がなかったり、時間はあっても準備がめんどくさかったりして、結局行かずじまい、などという経験はないだろうか。

何の準備もしていないところから降って湧いた衝動のために準備を始めるのは、その時間や作業のコストが初期衝動を殺してしまう。

解決策は簡単で、最初から準備ができていればいいのだ。

つまり旅に出たくなったときのために、最低限これがあればいいという装備をまとめた鞄を作って常備しておけばいい。そうすれば、旅に出たくなった瞬間にその鞄と財布をひっ掴んで出掛ければよい、ということになる。

そんなわけで、自分はそれに当たる鞄をひとつ作って常備している。

こんな感じの防水バッグに、快適に旅をするため必要となるものを可能な限りコンパクトに収まるよう選別して詰め込んだものだ。

今回はこの中身をご紹介する。

文明人ポーチ

文明人としての体裁を保つために必要なものを納めたポーチである。

内容物は以下のとおり。

  • 耳掻き
  • 爪切り
  • 鼻毛切り
  • 電動髭剃り
  • ヘアブラシ
  • アゴムの予備

人体というのは面倒なもので、爪も体毛も時間と共に伸びるのだが、文明人はそれを適切に処理することを求められる。面倒だが致し方ない。いつも「この間(半月前ぐらい)切ったばかりだろ…」とか思いながら爪を切ったりしてる。旅をしている間もそれは変わらないので、必要な道具をまとめている。

風呂道具

旅先でも衛生的な生活を営むならば風呂に入ることになる。ビジネスホテルのユニットバスから銭湯、温泉宿まで、旅先で入浴可能な施設は数多あり、最近はシャンプーやボディソープが備え付けで置いてあったり、タオルなどの道具についてもレンタルや販売があったりするのがスタンダードとなっている感はあるが、常にそうとは限らない。

また、旅先の備え付けシャンプーやボディソープが肌に合わない場合が心配な人もいるだろう。

そんなわけで自前の風呂道具を用意しておくのがベストだ。

1Lのポーチに入浴道具を纏めている。

内容物は以下のとおり。

  • セームタオル
  • ボディタオル
  • リンスインシャンプー
  • ボディソープ
  • 石鹸

石鹸は100均の小分けタッパーに入れている。

洗濯道具

泊まりがけの旅では着替えが必須となるが、着替えを日数分用意すると長期の旅ではとんでもない体積となり、荷物が肥大化してしまう。

しかし、最低限の数を洗濯しながらローテーションさせて着ることで、着替えの体積を抑えることができる。

そのためには旅先での洗濯を視野に入れる必要があるが、実際ビジネスホテルをはじめカプセルホテルやゲストハウスなど旅の宿となる施設の多くはコインランドリーを用意していることが少なくない。

しかし、用意されているからといって常に使えるとは限らない。他の宿泊客が使っていて自分の番がまわってこない場合があるかもしれないし、そもそも設備がない宿も無くはないし、ちょっとお高めのホテルなどではコインランドリーではなく指定の袋でフロントに出すようなところ(東急REIなど)もあって、あまり気軽さがなかったりもする。

そんなわけで、最悪の場合でも自室のユニットバスで必要な洗濯を済ませるための道具を用意している。


内容物は以下のとおり。

Scrubba Wash Bag は、主にアウトドアなどで用いられる洗濯袋製品だ。
https://thescrubba.jp/
電力が期待できない場所でも水と洗剤があれば使用できる嵩張らない洗濯道具として、他にもいくつかの洗濯袋製品が商品化されている。なお、アウトドアでは生分解性エコソープの使用が推奨される。

これで洗い、すすぎを済ませたあと、大判セームタオルにくるんで絞れば良い感じに脱水できるので、あとは干せば良い。

洗濯したものを干すために、折り畳みハンガーも用意している。

着替え袋

汚れたものは洗濯することを前提に少数の着替えを着回すことはよいとして、更に着替えの量を減らすため、旅先なので上に着るものは同じか少数にして洗濯頻度も少なく抑え、直接皮膚に触れ身体から出る汚れを受け止めるものに限定して毎日洗濯し着替える、と考えてみる。

洗濯袋で洗濯するケースも考え、あまり嵩張る衣服は日々の洗濯の対象にはせず、ランドリーが使えるときに洗濯するものとすれば、用意する着替えは

  • Tシャツ
  • 下着
  • 靴下

をワンセットとして管理するのが良さそうだと考えた。これが3着あれば、常に1セットぐらいは着替えが確保されている状態を保てそうだ。

…ということで、上記の組合せを3セットつくり詰め込んだのがこちら。

ちゃんと中には3セット入っている。

折り畳みバケツ

宿泊方法の方向性次第では、水を汲んだり水に濡れたものを運んだりすることもあるだろう。たとえばキャンプとか。そのために折り畳みバケツも入っている。

小さなパックが、

広げると結構なサイズのバケツになる。

ただ、現在のところは洗濯物を宿の部屋とランドリー間で輸送するために使うことが多い。

旅から戻ったらやること

旅を終えて帰ってきたら、やるべきことは次の旅に備えることだ。

  • 消耗品を補充する。シャンプー、ボディソープ、石鹸、洗濯洗剤、ヘアゴム、電動髭剃りの電池は消耗品なので、著しく減っているようなら補充・交換する。
  • 洗濯できていない着替えがあれば洗濯し、再びパッキングする
  • 旅先で破損したものがあれば交換する

使用実績

以上、常備している旅行装備を紹介したが、実際これで18日間に渡る旅程を乗りきった実績がある。2023年2月1日~2月18日にかけ、四国と九州のすべての県を巡り、全ての県で最低一泊する、という無計画旅を行ったのだが、その間の着替えと風呂に関してはこの装備で全てを賄うことができた。

また、同2023年5月27日のSSTR2023出走から6月6日の11日間にわたり、福井-滋賀-京都-兵庫-岡山-広島-島根-山口 と巡った旅でも問題なく機能している。

旅支度は「衣」

基礎的な生活について言われる衣食住のうち、食と住を旅先の現地で調達するのが旅と言える。宿は住そのものだし、旅先で食べるものは食だ。旅支度と呼ばれるものの基本は、残るを旅先で支障無く賄うために何が必要かを考え、物資とその運用方法を整えることだと言える。

一定以上の完成度を持つ「旅支度」を常備できるならば、旅に出たいという初期衝動が殺されることは少なくなるだろう。

追記

上に挙げた装備中、馴染みの無い人には比較的特殊な道具に見えそうなものがいくつかあるので、どんなところで買えるのかなど情報を添えておく。まあamazonとかで買えば一発なのだけど。

風呂道具と洗濯道具に含まれるセームタオルだが、これはスポーツ用品店で水泳用に売っているもの。水泳やる人がよく使ってるもので、ミズノとかが作ってる。

内容物の分類に使っている各種ポーチはSea to summit の製品で、アウトドア用品を扱っている店舗で、主に登山用品として売られている。装備品のパッキング分類などで使われ、その意味では順当な使い方をしているつもり。

文明人ポーチに使っているのは Magforce のもの。サバゲー用品を扱っているお店などにあると思う。

全体を纏めている鞄は高儀のZak-STORAGE。たしかライコランドで買ったので、バイク用品店などにあると思う。