最後の仕事が終わった。

あのプロジェクトのスタッフとして最後の仕事が、実質的には昨日を最後に終った。以後私はあのプロジェクトを抜けることになる。


一人のプレイヤーとして始めた人間として、私と同じように期待を持って始め、結果として期待を大きくはずされた仲間たちの、失望に変わってしまった期待を多少なりとも救いたかったから、怒涛のように押し寄せる現実の中で必死に知恵を絞ってきた。
たとえばそれは仲間たちがバラバラにならないようにであるとか、誰もが誇りをもって選んだその名を奪われないようにであるとか。哀しい想いを少しでも小さくするために、とにかく色々考えたのを思い出す。


そして不注意から足元をすくわれ、それも出来なくなった。
もちろん職場が変わったわけじゃないしプレイヤーをやめるわけでもないから気づいたことは色々言えるのだが、今後は一旦決定が下されてしまってから意見することしかできなくなる。決定以前にプレイヤーの視点から様々な可能性を検討した上での意見はもう出せない。


次の仕事はもう決まっている。
もちろん何をするかはここで書けないが、それは今回のように期待が失望に変わってしまう哀しい人々を、今後のタイトルで出さないようにするための仕事。

他の関係者の思惑はどうあれ私はそれを目的に仕事をする。私は、私が救おうとして救えなかった仲間たちがいたことを絶対に忘れない。


なんにせよ、戦う理由は尽きそうにない。